『17歳のカルテ』
精神病患者が収容される施設に住む女の子・女性たちの物語。 自らの顔を半分焼き、大やけどを負った子、重度の虚言癖の少女、そしてガリガリにやせ細りながらもまだ自分が太っていると思い込んでいる拒食症患者…。主人公は薬物自殺を図ったとして施設に入れられ、そこで患者たちの様子を見て、その異様な光景に当初は拒否反応を示していた。
しかしリサとの出会いをきっかけに主人公は変わっていった。リサは、親から愛されていないという深い悲しみから、衝動的に暴力行動に走り、施設を脱走してはまた事件を起こして施設に逆戻り…ということを何年も繰り返している、非行少女であった。
主人公は、リサと、施設の「仲間」たちと夜な夜な施設を抜け出してつるむうちに、そこに溶け込んでしまっている自分に気づき、愕然とする。そして施設を卒業しようと、本当の意味で自分の心を開き、カウンセラーに自分の思いを話すようになるのだった。
まず注目したのは、主人公の肌と瞳の美しさ。(笑) そして若き日のアンジェリーナ・ジョリー。アンジーは、素じゃないかと思うほど激しい演技で、ご自慢の唇ももうすでにプックリ大きくてびっくり。
でもこれって結構重い題材やと思う。心がどこか破たんしてしまって、毎日薬を服用して、監視がいないと生活できない女の子たちの悲しみや苦しみは計り知れない。誰でもそうやけど、苦しいときに、例えば誰も支えになってくれる人がいなかったり、子どもの扱いがわからない親に育てられた子の何割かは、自分ですべてを背負いこんでしまう。そしてひとりでそれを支えきれなくなった結果、心が折れてしまうんやろう。
その折れてしまった心は簡単に治すことはできない。でも、誰かのあたたかい愛情があったり、自分自身の強い気持ちがまた芽生えれば、少しずつ良くなることは可能なんやと思う。だって本当は、いつまでも施設の子たちと馴れ合い、そこの色に染まってしまうのはよくない。そこでしか生きられないのは、あまりにも悲しいことやから。ラストのシーンで、主人公が心の中でこんなセリフを言っていた。
「きっと外の世界も、間違ったことだらけなんだろうけど、それでも私はそこで生きていたい。」
繊細すぎるがゆえに、他人の過ちや、どうしようもない狂った世の中に吐き気を覚え、逃げ出したいと思うことがある。でも、少なくとも外の世界には自由があるし、たまには楽しいこと・嬉しいことだってあるかもしれない。その可能性をぜんぶ自分で絶ち切ってしまうほど、施設の中だって素晴らしくはないし、世の中だってそんなに腐っていない。
誰でも生きていれば辛いことが起こってしまうけど、全てを自分ひとりのせいにして、背負い込むことはない。それで心が壊れてしまうのはあまりにももったいない。頼れる人がいれば甘えればいいし、カウンセラーに 話をするのもいい。そして自分の大切な人が苦しんでいるときは、大きな愛情で包んであげよう。そうすればすこしでも心を病む人を減らすことができるんじゃないかな。